@article{oai:rekihaku.repo.nii.ac.jp:00002268, author = {土屋, 聡 and Tsuchiya, Satoshi}, journal = {国立歴史民俗博物館研究報告, Bulletin of the National Museum of Japanese History}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 本稿で考察の対象とするのは、国宝「秋萩帖」(東京国立博物館所蔵)に収められている王羲之尺牘十一通である。近年では、中国においても、この稀覯資料への関心が高まっている。しかし、現在のところ、既存の法帖や書目との重複が指摘されるのにとどまり、本文の異同についての具体的な検討は行われていない。 ところで、これら十一通の尺牘のうち、「郷里人帖」と「得丹楊書帖」とは、「右軍書記」にも収められている。この張彦遠「右軍書記」に収められた四百四十三帖は、唐代に行われた羲之尺牘本文の貴重な記録に他ならない。そこで、本稿では「右軍書記」との比較調査を通じて、「秋萩帖」所収王羲之尺牘本文の資料的価値を明らかにすることとした。 その結果、「秋萩帖」所収「得丹楊書帖」は「右軍書記」との間にほとんど異同がなく、一方、同「郷里人帖」は「右軍書記」との異同が甚だしい、という両極端の性格を持つものであることが判明した。 「得丹楊書帖」の場合、恐らく、張彦遠の元に収集されたものに極めて近い一本が、日本へも将来されたのであろう。また、「郷里人帖」は「右軍書記」所収本の断簡と思われるが、重複部分の異同には、却って「右軍書記」よりも文意がよく通じ、原文に近いと思われるものがあった。 以上のことから、「秋萩帖」は、その大半が独自に行われていた資料に基づいて臨写されたものと言えるが、このことは必ずしも「秋萩帖」本文の質の低劣さを意味するものではない。むしろ、その基づくところの資料は、「郷里人帖」の事例に明らかなように、「右軍書記」に勝るとも劣らない優れた本文が含まれていたのである。, 一部非公開情報あり}, pages = {55--64}, title = {[研究ノート] 「秋萩帖」所収王羲之尺牘十一通について}, volume = {198}, year = {2015}, yomi = {ツチヤ, サトシ} }